私が泣き止んで少し落ち着いてから、彼は桜の木を見て言った。



「…絶対ここにいると思ったんだよね…。…懐かしいな…」




別れたときよりも、大人になって、カッコ良くなった双子の弟…柊。

その柊が、私と肩を並べて…今ここにいる。




「…毎年…待ってたの…。…本当に…ずっと…」





まるで初恋の人にでも会えたような気持ち。






そう…この日が、『望みの終わり』。



そして…『願いの始まり』だった。