私はあの…桜並木道に辿りついた。 「…ふっ……う…ふぇ…」 桜並木道に入り、家に向かってゆっくりと歩き出す…。 涙が止まらない。 メイクが落ち、目を押さえた手にマスカラやアイシャドーが付く。 大好きな桜を見ようとしても、世界は滲んでいた。 「……さくら……桜……汐留…」 私は道の中間辺りで、路上に用意されたベンチに座り込んだ。