新学期の準備のため、教師たちが学校に来ていることは知っている。

ただ…担任のササがいなきゃ話にならない。

一年のときから担任のササ…佐々岡幸広先生は、生徒の話をちゃんと聞いてくれて、信頼できる教師の一人。


他の教師に言ってもダメだ…。

私の言葉なんて、信じてはくれない。



「…さっ……ササー!」


私は職員室に辿りつくと、開け放しの扉から中へ思いっ切り叫んだ。




「はぁ…はぁ…ごほっ…」



扉に寄りかかる私を、驚いた表情で見つめる教師たち…。



パタパタパタパタ…。


聞き慣れたサンダルの足音が聞こえた。