「馬鹿だねぇ、芦多は。
灯世もだよ?
そんなの、君達をここに留まらせる言い訳だよ。」



灯世も呆気にとられている。



初めてみる爪鷹の一面に驚いているようだ。



灯世が俯く。



そして、爪鷹を見上げた。



「でも、今実際に氏神様が怒ってらっしゃいます。」



爪鷹が詰まった。



確かに。



これの理由は何だ?



「そうだね…。」



うーんと唸る。



と、また屋敷が揺れた。



芦多は咄嗟にふらついた灯世を抱き寄せる。 



千歳が腰を落として叫んだ。



「灯世、氏神も魔物と同じように消滅させられんのか!?」



一方灯世は、何と不謹慎な、と目を見開く。



「そんなこと考えたこともありません!」


「今考えりゃいい。」



芦多はたまらず吹き出した。



千歳は時々突拍子もないことを言う。



「氏神様はこの土地の守り神です、滅ぼすなんて…。」



揺れが収まっていく。



…今回は長かったな。



「出来たとしても、私はやりたくないです。」



灯世は申し訳なさそうに視線を落とした。