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終わった。



とうとう、終わったんだ。



芦多は、辰太郎から届いた文書を握りしめた。



そこには、もう任務を終了して帰還しても良いという旨の内容が書かれていた。



しかし、一体どういう風の吹きまわしなんだ?



私を急にこんな極寒の地に放りだしたと思ったら、急に帰って来いだなんて。



まあとにかく、帰れるんだ。



芦多は目を閉じた。



浮かんでくるのは、灯世。



記憶に残っているのは、もう3年も前の灯世だ。



そして、政隆、千歳、爪鷹、耶粗。



みんな、元気だろうか。



やっと、雪が解け始めたこことは違い、もう向こうは春爛漫のはずだ。



早く、あそこに帰りたい。



芦多はガラリと戸を開けて、家の中に入った。



「芦多様、何が書かれて…。」


「帰ってよいと。」



急いて答えた芦多に、与作は腰を浮かした。



「帰る!?
そんな、わしらはまだ…。」


「もう魔物も襲っては来ない。
ここ最近、私の仕事は畑仕事ばかりだっただろう?
もう大丈夫だ。」



言いながら芦多は自分の部屋に足早に入る。