「主人の為に毎日毎日神に祈る事、必要があれば呪札を作って差し上げること…ですか?」



顔がみるみる渋くなっていった八重に怯み、言葉は尻すぼみになってしまった。



「それは建前です。」



………え? 



建前?



守護者の役割に建前なんてあるのか。



今度は灯世が顔をしかめる番だった。



「本来、本当の守護者たる者は、術を使って主を取り巻く災いから護るものなのです。」



ちょっと待って。



そんなの聞いた覚えがない。



というか、絶対に聞いていない。


そもそも術って?



混乱している灯世に合わせてか、せめてゆっくりと八重は話し出した。



それはまとめるとこういうことらしい。



ーーーーー……。



灯世たちの先祖は代々山城に仕えて、魔物たちからその後継者や重役を護衛してきた。



いつの時代にも敵は出来るし、領地を広げようと戦を仕掛ける国もあった。



それに兵器として使われるのが魔物たちだ。



力があれば、欲望に支配される者も出てくる。



魔物を使って傷つけようとする者があれば、魔物を使って護る者もある。



簡単に言えば、術を使った攻防戦だ。