「…俺はさ、真面目なキスがしたい」

「はぁ? 何言ってんの?」

「お前と」

「…本気で?」

「もちろん」

私の肩を掴んだまま屈み込んできた。

だから私は顔を上げて、眼を閉じた。

再び重なり合う唇。

離れてもお互いに気恥ずかしくて、言葉が出なかった。

だから私はそのまま、コイツの胸の中に倒れ込んだ。

「えっ、えっ?」

「…バカね」