「……?そう思うのに退治しないのか?」

沙綺の発言が透には不思議に思えた。


「…できたら俺もしたいさ。
でもよ、でたらめに探して出てくると思うか?
あいつらだってバカじゃねぇんだ、こっちの隙を見てやがんだよ。」


「じゃあ、どうする気だ?まさか放っておく訳じゃないだろうな?」


「ああ、当たり前だろ?そこらじゅうに俺の符術結界を張ってきたところだ。
中に入れば少しの間は足止めできる!
その間に俺らが着いて、退治する計画さ…。協力しろよ?」

沙綺は残り少ないアイスをほおばりながら振り向いた。
そして、食べ終わったアイスの棒を口から出すと立ち止まった。


透は沙綺に追いつくと、彼が食べ終えたアイスの棒を見た。

「まぁ、協力はするさ…。
何だよ急に止まって?アイスハズレじゃねーか。」

すると沙綺は遠くを見つめたまま呟いた。

「…いいや、当たりだ!
来い神楽!妖だ急ぐぞ!」


そう叫んで沙綺は1人で走り出した!

「な!!おい沙綺!待てって!」


透は何事か分からないまま沙綺の後を走り出した。