その言葉に沙綺は乗り出した体を引くと、元の場所に座り直して答えた。


「結界は、外敵の進入を阻んだり、内部から出さなかったりといった効果が基本です。
他に挙げるならば、視覚結界、隔離結界等の特殊な物もあります。」


そう答えた沙綺の言葉一つ一つに相づちをうっていた白蓮は、結論を求めた。


「確かに、結界の種類は多種多様じゃ。では結界士とはどのような能力を持つ者だと思うかぇ?」


「…結界士ですか?それは退魔士の中で一番結界を張ることに長けた者だと思います。」


何でそんなことを聞くんだろう?といった顔で答えた沙綺に、白蓮は口元を押さえて楽しそうに笑った。


「ほほほほ。確かにそう見えるかもしれんのぅ?」


「え!?では一体何が正解なのですか?」

沙綺は自分が出したベストな回答が間違っていたことに、少し驚いた。