体を強張らせる私を見て



「そんな・・・怯えなくても・・要には酷い事しない」




(・・・あ)

(また・・・)



比呂也君は寂しそうに笑った



私の薬指の指輪があった箇所を親指で撫でた




「指輪・・・持ってきたのか?」



私は頷く



「そんな あっさり別れられると思った?」




私を苦々しげに見つめる比呂也君から目が逸らせなくなる



でもすぐにその顔は崩れ





「・・ずっと 俺だけのモノだと思って大切にしてきた・・」