比呂也君が車を止めた先は以前来た事のある海浜公園だった 明るい日差しが私達に照りつけ涼しげな海からは潮の匂いが漂う 私は促されるまま車から降りて 静かに海沿いを歩く比呂也君の後に続いた 少し遅れて後に続く私を見て比呂也君は困ったように笑った しばらく歩いた後、手すりに手を掛け海を眺める 「・・・・・」 どうしていいか分からずに傍で俯いてた私 そんな私の左手を比呂也君はそっと取った