「・・・ナナ」 タカラが苦しそうに私を呼んで 私は両手で顔を覆った これ以上タカラを見ないように・・・ これ以上そんな目で見つめながら言われたら タカラを拒みきれる自信がない 手で隠した私の目から涙が溢れる 「・・・・・」 「・・・・・」 沈黙のまましばらく時間が過ぎて 部屋には私の泣き声だけが小さく響く 沈黙を破ったのはタカラの煮詰まったような声 「あー…・・」 「・・・なんで 泣かせちまうんだ?」 ドサッ ベッドに倒れ込む音がする