「何で入ってこねェの?」




タカラが出てきた



車の音がしたのに私が帰らないから心配したみたい



涙を隠したかったけどごまかせないほど溢れていて



「!!」



タカラはそれを見てギョッとして



「アイツお前に何かしたのか?」



私の頭を撫でながら顔を覗き込む



私は首を振って



「淋しくなっただけ・・・」



恥ずかしいなぁと思いながらも



素直にそう言った



「・・そっか」



タカラはそう呟いた後に



「ムカつく・・」



とだけ言ってそれっきり何も言わなかった