その時だった。
ポーン!
「あっ」
相手のバッターが
サード前に
バントを打った。
サードがとりに行き、
ショートの大和君が
サードのカバーに入る。
二塁から走り出していた
ランナーは無理やり
サードに入ってきた。
大和君のところに
ボールが投げられるのと
ランナーがベースに
スライディングしたのは
ほぼ同時だった。
「アウトーっ!!」
「やった!!」
そのまま大和君は
1塁に送球する。
「っしゃ!
ダブルプレーだ!!」
「「「きゃーっ!
大和く~ん!!」」」
みんなが喜ぶ中
あたしは何かが
引っかかった。
今の大和君の送球…。
少し変だったよね。
そのまま攻守交代に
なったので、
あたしはこっそり
ベンチに向かった。

