――試合は中盤。 あたしたちは 大和君のファインプレー、 そして2回からの 崎美君のピッチングの おかげで、 2点リードを保っていた。 そして7回の表。 あたしたちの守備だ。 「…愁、つらそうだな」 「うん…」 崎美君のピッチングには 疲れがありありと見えた。 甲子園が始まってから、 ほぼ毎回の試合で 投げていて、 練習も残って やっていたぐらいだ。 疲労は相当 たまっているはず。 …それでもあたしは、 気づくことしか できない…。