もしも大和君が アウトになったら 延長戦になってしまう。 みんなが固唾をのんで 見守るなかで あたしはどうしても うわのそらだった。 崎美君の呆れた顔が、 さっきから頭に 焼き付いて離れない…。 思わず俯いて ため息をついてしまう。 その時視線を感じて ふと顔を上げると 崎美君がこちらを 見ていた。 でもあたしと 目が合った途端 ふいっと顔を背ける。 そんなことにも 胸の痛みを 感じていると、 カーン! グランドに大きな 金属音が響いた…――