この空の下






崎美君は最後に
呆れた表情を残して
去って行った。













あたしは1人
ため息をつく。







隣で1年生3人の
会話が聞こえた。










「やったじゃん!
マキ!!
崎美先輩にかばって
もらえちゃったよ!」

「う、うん…」










他の二人は
ニコニコしながら
観客席に戻ったけど、



マキと呼ばれた子は
あたしを気にしてる
みたいだった。













「マキちゃんって
言うの?」

「は、はい。
あの、先輩…
どうして本当のこと
言わなかったんですか?」

「…どうしてだろう。

あたしね、
変なところで
お人好しなのかも
しれないや」










ははっと自虐的に
あたしが笑うと
マキちゃんは
ぺこりと頭を下げて
二人を追いかけて行った。

















「…本当あたしって
お人好し」