そして始まった準決勝。
これに勝てば
甲子園決勝にいける。
しかし相手も
ここまで勝ち残ってきた
強豪校だ。
簡単に勝たせて
くれそうにない。
どちらもなかなか
点が入らず、
投手戦になっていた。
「崎美君、大丈夫?」
攻守交代の時
タオルを渡しながら
話しかける。
「ん、まあ多分。
なんつっても
これがあるからな」
そう言って崎美君は
ユニフォームの
ポケットからあたしの
お守りを取り出して笑う。
ポケットに入れて
くれてるんだ…。
胸の奥がキュンと
音をたてる。
ん!!?
キュンて何よキュンて!!
今は試合に集中
しないと!!

