「あたし、乗らない」 「は?何言ってんの茜」 「美紅と渉太で 乗ってきなよ。 崎美君も乗らなくて いいでしょ?」 「…うん」 「決まり! さっさと並んできな」 あたしは渉太の背中を ポンと叩く。 「茜…さんきゅ」 渉太はボソッと呟くと 美紅を誘って 観覧車の中に 消えていった。 「おい…」 崎美君が遠慮がちに 話しかける。