「茜」 ハッと顔を上げると 渉太が軽く 手をあげていた。 「ちょっと茜 借りていくわ。 お前ら先に 観覧車行ってて」 「わかった」 「行くぞ茜」 「う、うん」 なんだろ…。 わざわざ2人で 話すこと…? あたしたちは 近くのベンチに座った。 「どっから話せば いいのかな~」 「何の話なの?」 「まあ…あのさ」 「うん」 妙に歯切れの悪い渉太。 あたしは ドキドキしながら 次の言葉を待った。