ゴミ箱の中には たくさんの紙が丸めて 捨てられていた。 その一つを広げてみると 愁の字で手紙が 書いてあった。 途中で涙のあとがあった。 "茜を守るのが オレじゃなくて悔しい" "茜と離れたくない" "こんなに人を 好きになったのは 初めてだ" "死にたくない…" 今まで愁が見せたことの なかった弱みが 失敗作の手紙の中に 溢れていた。