「あたし、まだ 渉太君のアドも 知らないんだよね。 茜知ってる?」 「まかせといて! 教えてもいいか 聞いとくよ」 「ありがとう~! じゃあまた メールする!」 美紅は笑顔で 走って行った。 その後ろ姿を ぼんやり見つめる。 ちっちゃくて かわいくて 人気者で 元気があって あたしが勝てる 要素なんてない。 あたしは重い足取りで 学校に向かった。