そしてついに 勝負が始まった。 あたしたち以外に 誰もいない球場は、 妙にシンとしていて なんだか不気味だ。 まずは愁が 1球目を投げる。 カーン… 「おー飛んだ飛んだ」 愁の球はかなり 速かったのに、 絆助は軽々とそれを ライトスタンドに運んだ。 「これでオレが リードやな」 「まじかよ…」 いきなりのホームランに 渉太も皐月も 唖然としている。 3球勝負ということは、 次打たれたら 愁の負けということだ。 愁の顔つきが 変わったように見えた。