「んっ…ぷはっ」 「お前なんか 忘れてねえ?」 やっと解放されたかと 思ったら、 トン、と壁に 追い込まれる。 愁の目はいつもと 違う光を放っていて、 あたしも目が離せない。 「オレは シャイだし、 不器用だし、 奥手だけど… でもその前に… 男だ」 胸がドキッと 高鳴った。 どんどん顔が 火照っていくのが 自分でもわかった。 愁も、男の子…。