「最後の打席で。
オレかなり体力
消耗してて、
ファールばっかだったし
半分諦めかけてたんだ。
だけどその時…
声が聞こえた。
オレの名前を呼ぶ
あんたの声が。
みんなが叫んでる
あの中で、
あんたの声だけが
耳に届いた。
オレ、不器用だから
よくわかんねえけど、
…あんたが元気なくて
オレまでつらかったし
あんたが他の男と
仲良くしてると…
その…//
むかつくっつうか…。
とにかく!
今日オレが
ホームラン打てたのは
あんたのおかげだし…
こんな不器用なオレでも
わかんのは…」
崎美君は既に
真っ赤だったけど、
数回口をパクパク
させたあと、
さらに頬を赤く染めて…
言った。

