この空の下















崎美君のボールは
ふわりと大きな
弧を描く。












相手チームの外野が
ボールを追って
フェンスの方へ走る。











そして外野が
腕を高く上げて
ジャンプする…



























カシャン




















「は、は…」

「入ったあああ!!」

「「「わあああ!!」」」

「逆転さよならだあ!!」


















ベンチのみんなも
応援席のみんなも
グランドに降りて
崎美君と大和君に
駆け寄っていった。



















「優勝だー!」

「やったー!」













なんてみんなで
言いながら、



まだ表彰式も
終わってないのに
もうお祭り騒ぎだ。











あたしは遠くから
それを眺めて
頬を緩めた。







そして静かに
その場を去った。