はかなき恋のうた~NAGASAKI・軍艦島

ーー真琴から貰った100円玉は…俺にとってはお守りというか宝物だった。死ぬまでずっと使わずに財布の一番奥に小さなメモ用紙に包んで入れていた。



俺が人生で最後に味わったささやかな…しかし最大のしあわせの値段は100円だった。わずか100円であっても、俺にとっては100億円にも匹敵するしあわせを…真琴には貰った。




その日から俺と真琴との奇妙な関係が始まる。親子や兄弟じゃない。まして恋人なんかではない。とは言ってもただの知り合いというだけの間でもない…本当に奇妙な関係の二人だった。