「あ~、もう…イヤ」

神無月は部室で、机に倒れ込んでいた。

「もう…動けません」

続いて九曜も青い顔で呟く。こちらはイスにぐったりと体を預けて。

「二人ともしっかり。…っと、三人とも、かな?」

ソファーに倒れ込み、顔をしかめながらうなっている雛を見ながら、依琉は苦笑した。

「…何で依琉だけ無事なのよ?」

「別に無事ではないけどね。慣れ、かな?」

そう言いつつ冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを全員に配る。

「一応護身術として、武術・体術は取得してるから」

「くっ…。金持ちのボンボンめ」

「ウチはただの成金。雛のように先祖代々の権力者の家ではありません」

「…依琉、それって嫌味ぃ?」