「…そうか。雛クンはまだ…」

『…ええ。ボクが迎えに行きますから、部長は封印の方に集中してください』

「悪いね、依琉クン」

『いえいえ。他の部員達と比べたら、まだ余裕のある方ですから。こちらのことは任せてください』

「うん、よろしく頼むよ」

そう言って通信を切った。

「…年々、悪化しているな」

榊は真剣な顔で呟いた。

卒業した部長から『封印』については厳しく、そしてしつこいくらいに注意されていた。

―どうもこの土地の力は年々増しているようだ。それと同時に封じられているモノ達も活発化している。…くれぐれも気をつけてくれ―