「いや~神無月は元気だねぇ。でもしっかり封印は出来たみたいだし、頼れるね」

よろよろ歩いてく神無月の後姿をプールサイドで見ながら、依琉は笑顔で言った。

今の今まで手伝いもせず、神無月の封印の一部始終を傍観していた。

金網越しに、神無月の姿を見送った後、依琉は振り返った。

「さて、ボクの番だ。しっかり先輩らしくしないとね」

 うううっ…!

プールの水が赤く染まり、スライムのようにうねっている。

時折低い唸り声が聞こえるも、依琉は全然動揺しない。

レンズに本体を映し出しているも、まだ封印はしないでいた。

―すでに結果は出ていた。