あたしはビールを注いだコップを青木くんに渡した。 「ありがと」 青木くんの手をまだあたしの肩にあって、声が近くてどきどきする。 今度はあたしが見とれてしまう。 ビールを飲む仕草。 なんでもないのに。 「……」 青木くんは肩に置いた手で、あたしの髪を撫でた。 「あたし飲みすぎたかも………」 目が放せない。 髪を撫でられながら、か細い声でやっと言う。 青木くんは少し笑うと、コップを置いた。 「なんで?」 ビールを飲み終わって、あたしの方を向く。