冴えない自分が嫌いで、どうしても暗い自分を変えたかった。



だから去年の中間、あたしはギャルデビューを果たし、この学校に編入した。



でも女同士のケンカは怖いし、このクラスにいるだけで『遊び人』と思われる。



モモだけが知ってるあたしの内面はきっとみんなにはバレてない。



恥ずかしがりやで内気で…。



見た目だけは生意気なんだ。



ここまで来ても中途半端なあたし…。



「林檎も彼氏作ればいいのに~。そしたらダブルデートしよーねー」

「知ってるでしょ!!」

「『好きな人じゃなきゃ付き合わない』だっけ?固い固い」

「あたしはモモと違うの!!」

「人を尻軽みたいに言うな。って、尻軽かあたし。キャハハハハッ!!」



モモにはその生き方が似合ってるよ。



あたしみたいなハンパもんとは違うよね。



「おいっ!!3年の尾崎達ボコッたヤツ誰だよ!!」

「は!?3年!?」

「校舎裏で全滅だって…」



慌てて教室に駆け込んできたクラスメイトの言葉に、教室がざわついた。