それから帰った実家ではのぞみが起きて待ってやがった…。



「お風呂、入られたらいかがですか?」

「ん、入る。お前寝たら?」

「一緒に入ります」

「オイ、俺は林檎以外に手は出さねぇの。浮気なんかしたら泣いちゃうだろ」

「じゃあ浮気じゃなくて本気になってくださいよ…」



上目使いで見上げられて…。



切なそうな目がちょっとカワイイとか思っちゃったりして…。



「好きです…虎之助さんが…」



そう言ってギュッと抱き着かれた。



悪いけどその気持ちには答えらんねぇんだわ…。



「俺は林檎が好きだから」

「なにが違いますか?虎之助さんに好きになってもらえるならなんでもします!!」

「じゃあ林檎になって。あの声で『虎君』って呼んで?あの目で見つめてあの小さい体になれば好きになってやる」

「そんな…」

「のぞみはカワイイけど林檎じゃないから。悪いな」



早く諦めてくれますように…。