麗しのﾜｲﾙﾄﾞ ﾋﾞｰｽﾄ

【虎之助】



海里の女、カワイかった…。



まぁ俺の中では林檎に勝る女はいないけど。



「あたしと虎君って釣り合ってない…」

「関係ねぇっしょ、それ」

「虎君はそんなにカッコよくてさ、チビで根暗のあたしをそばに置いとくことに疑問を持たないの？」



なに言ってんだコイツ…。



俺がいいんだからよくねぇか？



無理して履いてる高めのヒールとかもカワイイし。



俺がどのくらい林檎を好きなのかわかってねぇみてぇだな。



「うるせぇよ林檎」

「だってあたしって超平凡じゃん!!」

「そんな些細なこと気にすんならやめりゃあいいだろーが」

「やめる!?別れるって意味？」

「あぁ」



俺の気持ちも知らずに言いたい放題言ってくれましたな。



だからちょっと困らせる。



「と、虎君は…別れたいの？」

「知らね」

「本当はあたしなんか好きじゃないの？」



好きじゃなかったら彼女の実家なんかこねぇだろ…。