奴に、ドレスを腰あたりまで
捲くりあげられ、その筋肉質な
両足があらわになっている。

ヒールが、少々高めのせいか、
地に足場をとろうと、
踏み締める姿が、逆に、
被さる男を誘うようで
エロティックだ。


ヒールをはいた足に、
力をこめたのが、
筋肉の動きでわかる。

「クッ!!」

一瞬、そんな声が
漏れたと同時に、彼らは、
モニカが相手を組み伏せる
体制に、いれかわった。


「モニカ・・・俺を殺せ。」

ゴウが、彼女の肩から、
だらりと手を離して言った。

「・・・」

彼女は無言で首を振り、
否定する。

「頼む・・・。

俺、サイゴくらい・・・
人並みの終え方したいよ。

戦争に、人体実験に・・・・

俺が一体何をしたって
いうんだよ!?」

その双瞳から、
涙が溢れる。

「ゴウ・・・」

モニカは、悲痛な表情で、
黙って、彼の額に
キスをした。

今は、彼を救うべき方法が、
あるわけでもない。

だから、いい加減な
慰めも言えない。

はたまた、
本人が望むからと言って、
兄弟の様に過ごしたであろう
コイツを、モニカに
処分できるはずがない。

でも、わかってる。