「起きろーーーー」


ーーーーー呼ぶ声がする。


「旦那ーーー」



ーーーー誰の声だったかーーー



「起きろやーーー」


ああーーーー
キムかーーーーー

俺だってそうしたいが。


「なあーーーーーー」



身体が言うことをきかない。

マジで、このまま死んだ方が、
楽じゃねえのか?


必死に指先を動かすも
動いているのかさえ
感覚が怪しくて・・・


「モニカを退けろ。」


ーーーーーえ?ーーーーー


やめろーーーーーーー



やめてくれーーーーーー



俺からーーーーー

モニカを
離さないでくれーーーー



鉛の様に重い身体

言葉なんて唇をつかず。


彼女を抱き留める腕に
力が入っているかも
最早わからない。

「グアッ・・・」


荷物よろしく担がれたのか
急速な浮遊感と衝撃が
腹部に入り、
再び意識が遠退く。


脳が揺れる振動が
気持ち悪くて声を漏らした。