水蒸気で湿った上着をぬぎ、
シャツを脱ぐ。

再び羽織ったジャケットの
冷たさに鳥肌がたつ。


まだ、シャツのほうが
マシだと思った。
着丈といい、温度といい
まだ、モニカの体力を奪わずに
済むんじゃないかと。



ここへ、モニカを置いて、
毛布か代わりになる物を
探しにいくという選択肢も、
普通ならあるのだが・・・

俺の中には、それは
もはや、なかった。


骨折してねーなら
連れていく。


それが、自分の体力を
奪おうと。

互いの命を奪おうと。



コイツは俺の生命の
保険であり

自分の生きる気力の
全てだ。



殺せるほどに
愛していると

明確な想いがある。




誰かに殺られるなら
俺が殺ってやる。


ほんの一瞬も
苦しまない様に
一発で、あの世に
送ってやる。