光を反射する雲は、黄金色で、
いつかみた青い空も
白い雲でも、もはやないが、
下界の重い雲とは、
幾分気品高い色彩で、
目を奪われる。
構造が違うのだろうか?

強い風が、行く手を阻む。

携帯酸素はあるものの、寒さで
ブランチをくわえる歯が、
ガチガチ震える。

気圧で身体が分解しそうだ。

ほんの数メートル
進んだだけなのに。

「そこを、右だ!」

急な勾配な階段を
考えに耽りながら、
昇っていると、
背後から、声が
かけられる。


「扉なんかないぞ!!」

「開くはずだ!押してみろ!
図面にあるんだ!
外界へ逃がさない構造だから
圧し開くハズだ!」


なるほど・・・


それが、なけりゃあ・・・
俺達は凍死だな。


全身で、壁にもたれかかる。


一か八か。
付いて来たオトコの指示に
従った。