全裸で、通路に倒れたまま
動かぬモニカを見つけるのに
さほど、時間は
かからなかった。



自分の居場所を、
把握したあとも、
俺には、彼女の傍へ
走る気力も体力も
あったもんじゃなかった。


付き合ってやる。
そういって、付いて来たのは
ミオが、指示したのか
俺を救出したオトコだった。


非常階段は、呆れた事に、
こんな雲海のど真ん中
建築物の外側に
螺旋上に溶接されていた。

周りに、同様の設備が、
あるのかどうかは不明だ。


水蒸気による腐食で
今にも崩れそうなそこを
こんな血みどろな出で立ちで
踏み締めていくなんて。


想像もしたことがない。


高度のせいか

出血のせいか


何度も膝が崩れ
鉄製の階段に
倒れこむ。