キムの声が途絶えて
どれほど時を経たのか


光の遮蔽された箱の中は
無限に時が過ぎた様に感じた。


とりあえず
脱出するか・・・


痛む身体に鞭うち
立ち上がった。


箱の外側、天井から 
何か衝撃が加わる。


キムのいっていた
助けかもしれない。

・・・刺客かもな。


しかし、相手が何であれ
明らかに、天井に
作られるであろう開口を
利用しない手はない。

奇跡的に胸ポケットに
残っていた携帯電話は、
まだ生きている様で、
液晶から漏れる光で
カゴの中、主に天井部の
構造を確認する。


念のため、利き手に持った
モニカの銃のトリガーに
指をかけた。