「・・・なかなか、

色男に、
磨きがかかったわね・・・。」

アポの相手が、絶句した。

「ああ。」

詳細は言わずとも、
知っているだろう。

「で、リディア・・・だっけ?
うまくやってんの?」

彼女は言って、
タバコに火を付けた。

「いや・・・。

もう、素性を怪しまれている。

サタンから
調査を依頼されたらしくて、
キムが、データを
改ざんしてる。」

「それについては、
だいたい聞いてるけど・・・
やっぱり、
あの子の意識を操作するには、
あまりに時間が短かったわね。」

そんな事は、
充二分にわかってる。

それでも、俺との関係が、
明らかになるよりは、
まだ、マシだ。

「それより、
頼んでいたモノは?」

「コレよ。」

彼女は時計を外して渡した。

「ミオらしいというか、
何というか。
男らしいデザインだな。」

彼女が、いかにも
好みそうなモノで、苦笑する。

「軍人が、こんな
チャラけたモノを
使うわけないでしょ。」

俺を見ていう。

「オマエも、モニカも、
口が悪いな。」

「余計なお世話よ。
それよりも、
あの子の暗示を解くことを、
真剣に考えちょうだい。」