サタンに、
キスマークを
施されて
直ぐ後の事だった。


ここから逃げださなければ、
更なる痛みが加わると、
何とか、体を持ち上げた時の事


歪んだ視界に
オンナ?が、飛び込む。


微動だにしない
ジニーの胸ポケットから
磁気カードを取り出し、
なにか読み取っていた。


・・・誰だ・・・



あのオンナ?




重い身体を壁で支えながら
ナイフを取り出した。


「あら?スゴイ。
まだ動けるのね。
マリア。」

オンナが、そういい
右頬に強烈な蹴りを
食らわす。

避ける気力も
堪える体力も
既に放棄した私は
まともに地に伏せる。


「ムーンを・・・

どうする・・・」 

しぼりだした言葉に
意外にもオンナは答えた。

「逃がす。
意識は失ってるけど
まだ、間に合う。
致命傷には至ってない。」

開いたエレベータの中に
オンナはジニーを引きずっていく。

何故か、このオンナが
本当に彼を逃してくれると
信じられた。