ジェラルミンケースの中には
数枚のICチップと
新聞の切り抜きが
乱雑に詰め込まれていた。


あの、
几帳面な親父が
・・・・だ。


なにかに追われるように
突っ込んだとしか思えない。


「親父・・・」


今日付けの着信メールが
印刷されて入っている。

時刻は

コンビナート爆発の
数分前

直近の数枚をめくる。



親父は


殺された・・・ん、だ。



俺の中で疑惑は
確証にかわった。


居住区のセキュリティを
解除して、車を飛ばし
隠れ家に身を寄せる。


PCを起動し、室内の
侵入者についてのデータを
検証する。


害虫以外の検索データについて
想定内の結果をうけ、
親父から託されたデータの
解析を開始した。


しばらくして、
携帯電話に着信が入る。


肩がビクッと震え、
見えない何かに恐怖した。


アドレナリンが
過剰に分泌され
妙な興奮状態にあり、
妙に呼吸が浅かった。



キム=ダンクロード−−−−−


液晶に表示された名前に安堵した。