セクション666


あのとき、
モニカが口に出しかけた
フロア番号は、
おそらく、ここだ。


専用の
エレベータでしか入れない
官僚の住まいなんかが
あてられたゾーン。



俺の出身地・・・
で、も、ある。


何故、サタンが
ここの
パスを持つのか・・・


確信に近い憶測が、
胃をキリキリと
痛め付ける。

モニカは、まだ、
気を失っているらしく、
その後の情報は
無線から入ってはこない。


パーティが
始まる事を考えれば、
サタンは、
それほどここに
滞在できるはずは
なかった。


『ボスとリディアは?』

無線から、
開場の切羽づまった声が
聞こえてくる。

『まだ、帰ってこない。
ったく!どこで
シケこんでるんだ!』

『私邸は、さがしたのか?』

『俺達じゃあ、
あそこには入れない。』

『全くだな。
スパイですら、入り方が
わかんねぇ所だからな。
ろくな場所じゃねぇや。』

誰かがいってる。

全くだな。

ここは、ロクデモない
エリアだよ。