頭が


正常に
働いてない
気がする。


ムーンが、どこからか
調達してきた安定剤は

ひどく、
眠りに誘う。


何度も思い出す
製鐵所でのオファーを
忘れたい事もあって
私は、また
服用し眠ってしまう。

眠りながらも、
ムーンが、周囲の状況に
過敏に反応している事は
わかっていた。


だから、

ゾラに会いにいくと
言った時には

薬をやめて
危機回避ができるように
備えていたのだが・・・


彼が出かけて直ぐに、
扉の鍵が開けられ、
再び施錠する音がした。

室内に明らかに、
ムーンではない
他者の気配がして、
立ち上がり様に
銃を手にした。


侵入者は、迷う様子もなく、
こちらへ進む。


殺気がしない。


不審に思い、
歩みを進めるかどうか
躊躇する。

その一瞬で
勝負は
ついていた。


「サタンッ?!」

私は侵入者に、
身体を返され、
腕で首を締め上げられる。

銃は手からもがれて
ベッドへ投げられていた。


すべてが

一瞬の出来事だった。