ジニーが、ジューン医師と
食事に行った日から、
何日か経つ。

あの日以来、医師から
電話がかかってくる事は
無い。


あの日、
ジニーのいない家に
一人でいると、
何とも言えない気持ちになって
涙がでた。

何だか、悔しくて。

ジニーが帰って来て、
慌てて扉を開けにいった。

その頬は、赤紫色になっていて
殴られたんだとわかった。

痛いよね。

湿布を貼る。

顔をちょっと
しかめながら、
ジニーが、

『もう、電話、
かかって来ないから。』

そう、言ったとき、
私は、顔には出さなかったけど
安堵した。

その日から、私は、
ジニーを独占している。


医師には悪いけど、


ジニーと一緒に居るのが
自分で嬉しいと思ってる。


私は、あの日の電話の
ジューンの言葉を
忘れない。


『あら、モニカ、
まだそこに居たの?』


『教えておいてあげる。
子供の貴方には、
シドニーは無理よ。
捨てられちゃうわよ。

だからね、貴方は、
引いていなさい。』

当時、子供だった私には、
彼女の言葉の意味が
わからなかった。