今さら、
モニカ以外のオンナを
追うはずが、なかった。


俺は、

モニカを選ぶ為、
レールに引かれた人生を
捨てたのだから。


決断した後は、
一度も、迷わなかった。
それを、悔いた事もない。


自らの名前すら綴れない
年端もいかぬ少女が、
純粋に向けてくれた愛情。

俺もまた、
モニカを愛していた。


いや、まだ


愛してる。



もう、そんなことは・・・

言えそうにも
ないけどな。


だからこそ
あえて、その言葉を
選んだのに。



モニカ
無事でいてくれ。


ため息をつき、
キモチを切り替える。

これ以上時間を
ロスにすることは、
得策ではない。

皮革のジャンパーの内側に、
しこんだ銃を確認する。


「いくか・・・」

誰にいうでもなく呟き、
自動扉に向かった。



待てよ。自動ドア?


停止させるはずの製鐵所に、
なぜ、電気を供給する必要が
ある?

アンドロイドは、別としても
通電を停めれば、
制御を通すわけだから
高炉は停止するはず・・・