「まあ、実験体っていっても、
先日ほどじゃねー。
旧世界の初期型アンドロイドだ。」

キムは、
資料を渡しながらいう。


いまは、暗黙の了解で
アンドロイドの製作は
NGとされている。


理由は、あまりに
人に近くなったためと、
聞いたことがある。


選択の自由ができ、
人間が望む労働に
従事しなくなったんだと
聞いているが・・・。


その、初期型なら、
確かに、ゴウほどでは
ないのだろう。


「ただな。

・・・一部情報ではな。」

キムが言葉を
一旦、飲んでから続ける。

「人間の脳が、装備されてる。」


「学習能力があるってこと?」

モニカがいう。


「ああ。
・・・それより、怖いのは、
過去の記憶を持つってこった。」



 

過去の記憶・・・か。

相応の感情も育成してるって
ことを意味する。




脳が、まともに
働いてるならな。



その時、ミオから
連絡が入り、退席した。


今思えば、
聞いておけばよかった。



そうすれば・・・