モニカの甘い声が、
俺の脳内を侵す。


コイツは、腕の中で
既に、気をやって
しまっているというのに。

無意識にその咽から溢れる声に
俺は止まる事も知らぬ様に、
彼女を求め続ける。


今まで我慢してきたせいも
あって、征服願望が
爆発していた。


ゴウ・・・との事は、
ともかくとして。


火を付けたのは、
サタンとの情事。

モニカの混沌とした瞳を
見たことによるものだった。




『旦那、リディアは一緒か?!』

キムの声が、仲間用の
無線から聞こえる。

「いや、アイツは
サタンのSPに戻ったが。
どうかしたのか?」

連絡があったのは
数刻前の事だった。

『無線が切られた。
念のため、今話してる
こっちのチャンネルは
既に切断したんだがな。』


「ああ。様子を見てくる。」


実験用棟の被害状況を
確認に戻っていた俺は、
再び、その通路を戻り始めた。


ゴウを殺めたその場所に
たどり着く。

その場所は、
何もなかった様に
取り繕われていたが、
真実は消えやしない。

かつての部下を想い、
胸の前で、十字を切った。