「・・・痛そうね。」

私の身体に被さる様に
突っ伏す男に告げる。

「ああ・・・
折れなかったのが
不思議だぜ、まったく。」

彼の腕が、私の身体を
抱き取り言った。

「お陰で降格だ。
おまえも俺もな。

・・・アイツに
近づけなくなった。」

薄ら笑いを浮かべる彼は
嫌そうに見えなくて。


まるで・・・

「・・・喜んでるように
見えるけど。」

「ん?ああ・・・」

彼は、一旦、
言葉を濁した。

「チャンスはあるさ。

調べる事も、外には
腐るほどあるしな。

また、奴の方から、
俺達を召集するだろう。
アイツの手持ちのパイも
限られてるからな。」

だから
今は、もうすこしだけ
こうしていてくれって、
ジニーは言って。

「・・・うん。」

ベッドのパイプ枠が
再び軋み始める。

混乱よりも
何よりも今は
ジニーの腕に
ただ、身を任せていたい。

サタンから、私を
取り返してくれたんだと
思いたい。


明日から、
再び共に戦うから。

強くなるから。

今だけ酔っていたい。
ジニーの腕で。